それを聞いても
アリスと離れ離れになってしまった
この世界にきた時よりは、不安にならなかった。
アリスが帰れなくなるより
アリスが不幸になるより、
マシだと思ってる僕がいる。
あの時、チシャ猫の耳に
僕が囁いたのは、
「アリス…、あいしてる…。」
ただ、一言だった。
それだけで十分なんて、
背伸びし過ぎたのかもしれない
だけど、僕は本当にきみを…―
遥か遥か、遥か先に
白い点が見える
きっと、アリスのいる場所に出る為の出口だろう。
「…アリス、あいしてる。だから…」
歩きながら、
“苦しくて、寂しくて、
哀しい思いをさせるけど、許してね”
そう、呟いた―