目の前に浮かぶ
黒猫の声が未だに頭の中でこだましていた。
でも、
それ以上に確かなものが、僕の頭には浮かび上がっていた。
―「「ずっと一緒にいよう」」―
契った小指に
少しの間、残った温もりがくすぐったかった、
あの約束。
「…アリスはいる。“僕の大好きなアリス”は、まだこの世界にいるっ!!」
「…!」
僕は黒猫に向かって
声の限り叫んだ。
そう、
“約束”したんだ、
僕とアリスは、いつも一緒だって。
片方だけ、違う世界にいるはずなんてない。
「…にゃあるほどぉ。キミはぁ、本当に“アリス”を想っているのぉかぁ。」