黒い空に、
白い息が昇った。
出窓から身を乗り出して見る月は、
いつも儚く見える
きっと彼の髪の色に、よく似ているから。
月を見る時間は、
いつもくだらないことを思うことが多い。
―君の場所からも、この月は見えているのだろうか
―君が見る月は、どんな色と形をしているのだろう
―わたしはあの日から毎晩、月を見るようになった
なんて。
「…ママァ、ミシェもう眠いー…」
「…あら、もうそんな時間なの…じゃあ、ママと一緒に寝ましょうね。」
出窓から降りて、
わたしは、いつの間にか後ろ立っていた
まだ幼い、愛しい娘の頭を優しく撫でた。