なんで?
どうして、そんな目で睨むのか。
「白兎、さん……?」
「…どうしてそんなことが言い切れる?どうして、そんなに安心できるんだ?どうして、そんなに信じられる?」
白兎は、今まで聞いたこともない低い声で言い
最後に呟いた
ボクだって信じてた、と。
なんのことかわからず、
わたしは繋がれていない方の手を、白兎に伸ばした
バシッ
「ッ…いたい…。」
手を強く払われ、ジンジンとする手をわたしは
無言で引っ込めるしかなかった。
白兎が、まだわたしを睨んでいたから
そして、
「…早く、早くいくんだ、“アリス”。不思議の国へ……早く。」
強く、痛いくらいに手を繋がれて
わたしは、霧の小道が途切れるまで
白兎にただただ歩かされた。