わたしの方を振り返る

赤い目が、わたしを見つめた。



「大丈夫さ、本当に会えるよ。…あの少年が“本当”に“アリス”を想っているならね。」



白兎の答えに、わたしはポカンとした

その瞬間に、


不安なんか、ひとつもなくなってしまったから。




大丈夫だ、



「それなら大丈夫ね。」



わたしの心からの言葉に、

また歩き出そうとしていた白兎は、立ち止まった。



「…どうしてだい?」



白兎がわたしを見上げる


キツく細め、明らかに敵を威嚇するようなそれで。



わたしは身を竦めた

初めて、この“白兎”自体に恐怖を感じた。