「鈴?」



黒くて茶色い森の地面に屈むと、

そこには小さな小さな鈴が落ちていた。



「やーぁ、見つけてくれたのぉ。ソレ、オイラのさぁ。」

「誰っ…?」



頭上から妙な声が降ってきて、

僕は驚いて顔を上げた

すると、そこには



「驚いたぁ?オイラ見て驚いたぁ?」



宙に浮く、黒猫

口元をチョコッと曲げて微笑みながら

妙なイントネーションで僕に話しかけていた。



黒猫は、僕の足元にある鈴を指差して

“拾ってぇ”

と、僕にその鈴を拾わせた。



僕の頭は疑問だらけになる

猫は宙に浮いたりしない。