そして、わたしは白兎に首を横に―



「いくわ、白い兎さんと一緒に…。」

「本当かい?嬉しいなぁ。」



…振れなかった。



それも、


どうして?

嫌なのに、

行きたくないのに、


なんで言えないの?



白兎は近付いてきて、小さな手でわたしの小さな手を取った。



「じゃあ、行こうか、“アリス”。不思議の国へ…―。」

「…うん…。」



もう、首を横に振れない気がしていた

なんでだか、そんな気がしていた

もう、そうとしか思えなくなってて



そして、あの時、わたしは白兎の招待状を受け取ってしまった。