相談の結果、小学生と高校生を混合して、3手に分かれて捜索することにした。

私と桧周、琴湖と未礼と釈屋久、ジャンと九地梨。


なぜそのような人員割り振りになったのかというと、単にジャンと琴湖が桧周と組むのを嫌がったからだ。

確かに、桧周は見た目も態度も乱暴だ。
悪い男ではないのだが。




人数が増え、手分けしたところで、二日前の落とし物がそうやすやすと見つかるほど甘くはなかった。




風が冷たくなってきた。


いつのまにか、日はすっかり傾いていた。

没頭すると時が経つのが早い。



小さなネックレスだ。

暗くなればなるほど、捜索は困難になる。
探すところはもう、ほとんど探した。
にもかかわらず、一向に見つかる気配はない。


気ばかりが急く。



「・・・はーっ、ねぇな、っくっそ」

桧周も、イラ立ちを隠せないようだ。
ひっくり返したゴミ箱の中身を戻す手つきが乱暴だ。
ついには地べたに座り込んで空を仰いだ。



…このまま、見つからないかもしれない。


沸き上がる、あきらめに近い弱気な感情と、やり場のないイラ立ちを何とか払拭しようと、私も空を見上げた。


夕日が肌を赤く染める。

今日は、空が赤い。


遊んでいた子供たちも、1人、また1人と公園から姿を消していく。


左手の包帯が、ほどけている。



このまま、見つからなかったら…。


未礼は、何を差し置いてもまず、皆を労うだろう。


落胆を押し殺し、微笑み、詫び、感謝する。

そんな未礼の姿が、ありありと目に浮かんだ。


“せっかく探してくれたのにダメだった”
喪失感とともに、我々の労に対しての罪悪感を持たせるだけになる。
皆が気にするなと言っても。
未礼は気にする。


未礼に、そのような想いはさせたくない。


やり切れなさで胸がいっぱいになった。



同じブランド、同じ素材、同じ形のものならば、この私に手に入れられないものなどない。
だがそれでは意味がない。

また私は、無力だ…。