綿菓子みたいな雲を見上げて 紅くなった こりんごの実を てのひらにあつめた あたりまえの 日常は くりかえしくりかえし やってくる ようで ほんとうは 同じ瞬間は 過ぎるたび失われ 二度と逢うことの できない かけらたち いつくしんで やわらかいこころを なくさないように 愛しいものが 手からこぼれおちないように 指先にとまったとんぼに 小さくくちぶえをふく