「そう怒らないでよ。」


「怒ってないわよ!ドアホ紬!」


…怒ってるじゃないですか。

はあー…と大きなため息を漏らすと
後ろから思いっきり頭を叩かれた。


「いったああー…」


「黙って学校行くわよ!」


はいはい。
朝からワガママお姫様の相手は大変よね。


―でも結局言う事聞いてるあたしってM?



「 マゾとか変態っぽくてやだああああ!!! 」



「 はっ?ちょ、あんた何いってんのよ! 」



道路の真ん中で急に叫びだしたあたしの腕を
グイグイ引っ張る百合亜の顔は
これでもかってくらい赤くなっている。


…可愛いんだよなあ。コレが。



「 百合亜ちゃああ~ん 」


「うっさい黙ってろ変態女。」