放課後…
講習は4時からで、先生が来るまで教室に待機してろって担任に言われた。
ちなみに今日は数学なんだって。

「廉太…」

「1時間…キツいな」

1時間も勉強とかもったいない。
これで全国行けなかったら訴えてやる。

ガラガラッ

「どうも初めまして、宮野女学院の縦本と申します」

教室は明らかに警戒ムード。
なんだこのババァ的な空気が漂ってる。

「今日はプリントを用意しました、これを今から10分で解きなさい」

配られたプリントは、どれも見たことない数字ばかり…
これを10分でやれとか頭イカれてるんじゃね?

「せんせー!!」

「なんですか?」

「俺バカだから出来ない、先生俺を苛める気?」

廉太は数字が本当に苦手。
だけど数字が苦手じゃない私でも苛めだろって思う。

「きみは…玉川君ね、そうやって苦手苦手って言っても解決しないわよ?」

「てかさ、これ俺らの教科書と全く違うんだけど」

「…普通の高校はこれぐらい解けて当たり前よ」

「(1+2i)(4+3i)って見たことないよ」

これ…見たことある。
陽の教科書に似たような数式が書いてあった…
その時陽が"2年のを先取りしてる"って…

「まさか2年の教科書の問題とか…」

そう言うと先生がこっちを見てきた。