「説教?」

「当たり前です」

「文句なら学校に言ってね」

「どういう意味?」

「いきなり明日から強制的に放課後講習が始まるの」

「それは特進科だけでしょ?」

母さんは煙草に火を付けて、自分の椅子に座った。

「違う、商業科とスポーツ科も」

「…どうして?」

「今回の模試がまた最下位だったんだって」

「まぁ…」

「それで近隣校の宮野女学院の講師を呼んで講習するんだって」

「…………………」

「商業科はどうか分からないけど、スポーツ科は勉強出来なくても大会の成績さえ良ければ文句は言われないの」

ジュッ…

「宮野女学院って陽の高校よね?」

「うん」

「いいじゃない」

「…はぁ?」

「あんたあんまり勉強出来ないんだから教えてもらいなさいな」

「……………」

「何よその目」

「母さんさ…うちの事なにも見てないよね」

「ちゃんと見てるわよ?」

「見てたらそんな事言わないよ」

「暖…最近なにかと突っ掛かってくるわね」

「別に」

「とにかく明日は講習出なさいよ」

「いや…部活優先だし」

「暖!!」

バシン!!

「いてっ…」

母さんは私の頬をビンタした。
そして叫んだ。

「少しは勉強しなさい!!」

「…うざい」