「陽!!暖!!起きなさい!!」

朝、母親の罵声で嫌々目を覚ます。

「のんた…朝…」

隣室の妹が私を揺らす。

「うぜー…」

パチンッ

私を揺らす妹の手を叩く。

「ママー…のんたが起きなーい…」

それを母親に告げ口をする妹。

「ったく…低血圧は困るわね」

呆れた母親が妹の倍で私を叩く。

バシッ!!!

「痛っ…なにすんだよ…」

「いつまでも起きない暖が悪いでしょ!?」

「…うん………」

「ママー!!Yシャツは~?」

「干してあるわよ~!!ほら、暖も準備しなさいよ!?」

「ん…」

「どうして同じ顔してるのに、こんなにも性格が違うのかしら…」

母親は一生解決されない疑問…いや、愚痴を溢して私の部屋を出ていった。

「…知らねーよ」

姉は私、暖<ノン>
あだ名:のんた。

妹は陽<ハル>
あだ名:はーちゃん。

私は部活が凄く強いけど学力は低い私立に通う高校1年。
陽は地元では有数の秀才女子高に通う高校1年。

そうです、双子です。
一卵性です。

小さい頃は身長も身なりも全く一緒だったから、よく間違えられたもんだ。

だけど中学に上がって、私が本格的にバスケを始めた事によってそれはなくなった。

私は通学鞄をエナメルに変え、髪をボブ風にした。

陽はロングヘヤーに制服はリボンと普通の女子。

だから間違えられる事はなくなったのだ。