父に対する
感情に「気持ち悪い」
が新たに加わる。


兄は平然としていた。
それが尚更むかつく



あれ以来、
父とお母さんは
夜中車で出かける
ようになった。


今思えばきっとホテル




子供ながらに
お母さんが父に
連れていかれた。



無我夢中で家を飛び出し
裸足で車を追い掛けた




「お母さん、お母さん」



どんなに叫んでも
届かなかった




真っ暗で静かな
町の道路の真ん中で
しゃがみこんで
泣き叫んだ



兄に引きずられて
家に戻ったが


私はリビングを
めちゃくちゃにした

当て所のない怒りや
不安や哀しみを
ぶちまけるように




朝方帰宅した
父とお母さんは
状況を把握したのか
泣きわめく私を
叱らなかった。