当然俺は、携帯が壊れてメール出来なかった、と言えば許されると思っていた。

「勝希ってホント変なトコ抜けてるよね〜」
とか笑って済むものだとばかり思っていた。

そして朝一、その事を話そうとゆりのクラスに入ろうとすると、ちょうどゆりが教室から出てくるとこだった。

ゆり、と呼び止めたが…

スルー…。

目すら合わなかった。

おい、と言って肩を掴もうとしたけど、振り払われたり同じ目にあったときのやるせなさが怖くて、出来なかった。

俺はつくづく根性がない。

更に、その日一日、ゆりから話し掛けられる事を、ただただ待ち続けていた俺は、救いようのない根性無しだ。

オマケに自惚れている。
何もしなくても、そのうちゆりから声かけられるんじゃないかとか、そんな事を思ってる自分は、ホントに自惚れている。

それは今も進行形。

明日にはゆりから俺のトコに寄ってくるんじゃないか、だんだん寂しくなってくるんじゃないかとか、本音を言えば思っている。

そんな俺は…

マジで救いようがない。