私は勝希君とはあんま喋った事無いからどんな人なのか詳しくは解らないけど、ゆりから話聞いたり、見て取って確かに解ることは、要するに私と同族、って事。


よく言えば冷静で落ち着きがある、悪く言えば冷めてる、って感じかな。
私が見た感じだから、正確ではないにしても掠る部分は確実にある。

客観的に私が私自身を評価するならそうゆう感じだ。

こう言った属性の人間は他人に誤解されやすいんだと思う。
私も翔から“嫌われてる”って思われた事は絶対ある。実際今朝なんかはそうだったんだろうな…。翔のあの態度を見ればそれくらいは解る。

でも私は本当に嫌いな人にはそうゆう態度はしない。あえて感情をおもむろにしたくないって思いがある。

逆に私は翔からは好かれてるって思える。

翔は自分の気持ちに正直だから、それがそのままちゃんと伝わってくる。それはゆりにも言えること。

自分の気持ちを素直に態度に出せるゆりがたまに羨ましく感じる。女はそうゆうタイプの方が絶対いい。

「勝希は今ゆりにシカトされててせいせいしてるかも…」


深いため息と共にゆりが言った。

「勝希に俺から聞いてみっか?」

「そのうちお願いするかもね……でも取り敢えず今は何も言わなくていいよ」

「そっか?」

箸を運ばせながら翔が言った。

「取り敢えず試してみる」

そして何かを閃いたかの様に、
「んじゃもっと分かりやすく試してみっか?」

と翔がにやけた。

「なに?」


「いい事思いついた」


どうせろくでもない事だろうな…と頭の隅で思いながら、私も勝希君の気持ちが少し気になった。