『生きていく事(仮)』

部屋の小さな窓から
手を伸ばすように
そっと目を細める


未来のあなたは
この空の下
何をしてますか?


小さな心のほんの隅で
あなたを待っています

膝を丸く抱えて
ベッドの上で
悲しみを逃がしながら

未来のあなたの事を想って
今日もなんとか
生きています

年はいくつですか?
お肌のお手入れしてあげても
嫌じゃないですか?

料理は下手でも食べられますか?
手を切っても作って見せます

背は何センチですか?
私は背が高いんです
たまにはヒールを履いてもいいですか?

私が生きている限りは
あなたを守ります

夢の中までも
追いかけませんから
隣で寝ても怒りませんか?

なるべく美しくあろうと
努力はしますが
こんな外見でいいですか?

ああ…

聞きたいことが山ほどある

「あなたのため」

という理由で生きさせて下さい

「あなたのため」

に産まれてきたと思わせて下さい

未来のあなたへ

私を決して見落としたりしないで下さい

私は今、
いつか私が伸ばした手を
あなたが掴んでくれる日を待っています