クラスマッチ当日、アキちゃん達のクラスは予選敗退に終わった。


アキちゃんは隠してたつもりだったのだろうけど、試合中、しきりに膝を庇うように走っていた。


部活を辞めた理由がその時、わかった。



「紗都ごめん、あたし、カッコ悪いよね」


悲しみを押し殺して儚く笑うアキちゃんが、格好悪い筈がない。


アキちゃんが保健室に行ったと同時に、井上君が来て私に囁く。


「負けらんねーな、アイツの為にも」

「うん」


靴紐を結び直し、私はコートに入った。


そこから先はあまりよく覚えていない。





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