原は体格に似合わず、細かく丁寧に教えてくれた。

体はたぶんラグビー部員の中でも一番デカイだろう。そして、見た目もなかなか怖い…

だが中身は全く真逆だった。


原「ボールを真ん中でもって、こんなかんじに指で押し出す感じでやれば簡単に飛ぶよ。やってみな!」


俺「あぁ わかった。」

言われたとうりなずがままやってみた。
するとボールは力なく、原に届くまえに落ちてしまった。


原「まぁ初めこんなもんだよ(笑)」

と励ましてくれた。

そして原が俺にボールをパスした。

そのボールは無回転できれいに俺の胸に来た。


原「こんな感じかな。今はたまたまうまくできたけど。」


俺「うまいじゃん!」

はっきり言って、どれがうまくて、どれが下手なのかなんて分からなかったがうまいと言った。



原「まぁ普通だよ!3週間もやってたらね」


他の一年は、ラグビー部に入って3週間たっていた。
だからなんとなく、ラグビーっぽくなっていた。


原「いまやってるのが、平パスって言うんだ。んで回すのがスクリューパスって言うんだ。平パスはなんとなくダサいよな(笑)」


俺「そうだね(笑)なんとなく回す方がかっこいいよね(笑)なんか地味だし」


そんなこんなで部活が始まるまでの20分ぐらいを原と平パスの練習で過ごした。