「おっ」


窓の外を見ていた寿也が突然俺の肩を叩いた。


「んだよ……痛ぇ」


寿也は若干興奮気味に俺の肩をバシバシ叩きつける。


「痛ぇっつってんだろバカ!」

「瑞希、あれ」


寿也の声がうわずる。


「あ……?」


窓の外を指差す寿也。


寿也の指差す先をゆっくり目でたどっていくと……。


「誰だ、あいつ……」


俺のクラスの窓からはちょうど校門の辺りが見える。


俺の目に飛び込んできた光景……。


それは、校門の前で姿勢良く立っている見知らぬ他校の男と、そいつに駆け寄る水上の姿……。


「あれがもしかして例の彼氏サンかねー」


寿也がニヤニヤ笑う。


「水上ってば……あんなに楽しそうに笑っちゃって。
こりゃ瑞希失恋だな」

「黙れ」