「宮本くん?
どうしたの?」

「あ、いや!
別に何でもない!」


ちょこんと首を傾げる姿を見て、俺の心臓は激しく動き出す。


こんなにドキドキするなんてバカみてえだって思っても、激しい心臓の鼓動は収まってくれない。


「ていうかさ!
良かったら一緒に帰んねえ?」

「え……?」

「梨華!」


その時初めて水上の隣りにいた女の存在に気付いた。


「笹岡……」


水上の隣りでじっとりと俺を睨んでいる。


「ほら!
梨華、行くよ!」

「え、え?
サト……!?
あ……えっと……。
ば、ばいばい、宮本くん!」


笹岡に引っ張られ、水上は慌てて俺に手を振った。