「水上、はよ」

「……」


挨拶シカトされんのはもう慣れた。


今日も黙って窓の外をじっと見つめている。


窓から差し込む朝日。


その光が当たっている水上の顔は、キラキラと眩しく輝いていた。


「あのさー……これ」


俺は小さい箱を机の上に乗せる。


水上は一瞬だけ箱に視線を向けたけど、すぐに視線を元の位置に戻した。


俺は箱の包みを破いて、オルゴールを取り出した。


水上は外を眺めたまま。


やっぱり気に入らなかったっぽい。


「俺は、気に入ったんだけどなー……」


ぜんまいを回す。