「あーあ……。
ネックレスも花もダメって……。
じゃあ一体何をやればいーんだよ……」

「ならもういっそ現金あげちゃえば?」

「それはさすがの俺でもやりたくねーな」


寿也と話しながら歩いていたら、とある雑貨屋の前を通りがかった。


「……?」


その店の前を通り過ぎようとした時、俺の耳に微かに流れ込んできた音色。


その音にじっと耳をすます。


「……!」

「瑞希!?」


俺は寿也の存在も忘れて勢い良く店の中に入った。


古びていながらも綺麗に掃除されている狭い店内。


そのおかげで俺はすぐに音源を見つけることができた。


「これか……」


俺が手に取ったのは、小さな箱型のオルゴール。