寿也とは家が近所なのもあってか、ガキの頃からずっと一緒にいる。


幼稚園も小学校も同じ、習い事も同じ、中学校では部活までも同じ、そしてついには志望してる高校まで同じ。


ここまでくると、もはや苦楽を共にした熟年夫婦みたいな感じ……って!


ヤバい、俺、今恥ずかしいこと言った!


撤回撤回!


「夫婦」撤回!


「つーか瑞希は3年になっても茶髪のままなのな」


不意に寿也が俺の髪をつついた。


「こら触んな。
せっかくセットしたのに、崩れるじゃねーか」

「お前、その頭……受験の時どーすんだよ」

「あー?
平気平気。
直前になったら黒くすっから」


俺がニカッと笑えば、寿也は「ふ~ん」とだけ言って再び俺の髪をつついた。


「だーかーら、触んなっつの!」

「女の子の趣味ってよく分かんねーな。
こんなギラギラしたパイナップルみたいな頭のどこがいーんだか」

「殴るぞ」