「聞いて驚け!
今日、ワタクシ宮本瑞希はなんとあの水上梨華と下校することになりましたーっ!」

「……へぇ」


寿也は少しだけ目を見開いた。


「イェーイッ!!!
さすが俺!
はいっ拍手!」


盛り上がる俺を寿也はしらけたような表情で見ている。


ポケットに入ったままの寿也の手を引き抜こうとすると、頭突きを食らった。


「ていうか、お前水上と上手くいったわけ?」


頭突きが直撃したひたいをさすりながら寿也を睨みつけた。


「当たり前だろ!
(これからどんどん)ラブラブ(になる予定)だよ!
昨日だってデートしたし!」

「え……マジ?」

「マジ!
だから約束通りジュースおごれよな」


寿也とギャーギャー騒いでいると、後ろから誰かに肩を叩かれた。


「おはよー……瑞希」


振り返ると見覚えのある女が立っていた。


顔は知ってるけど、名前は忘れた。


でも確か……彼女、だったよーな。