耳を疑った。


信じられなかった。


まさか水上がこんな奴だったなんて……。


「アタシはもう大丈夫だよ。
お兄ちゃん、わざわざありがとうねぇ……」


婆さんはそう言って気まずそうに笑うと、腰をさすりながらヨロヨロと歩き出した。


そんな婆さんを、水上は無表情のまま見送っている。


婆さんが去った後、俺は怒りに任せて水上に迫った。


「何考えてんだよ!?」


水上はビクリと震え上がって、それから目を丸くして俺を見上げた。


「なんで怒ってる……の?」

「ああ!?」


なんで怒ってるのだと?


それすら分かんねえのかよ!