その時だった。
「……!」
水上が前方から歩いてきた婆さんとすれ違いざまにぶつかった。
水上にぶつかられてバランスを崩した婆さんはその場で転んでしまう。
「婆さん大丈夫か!?」
俺は急いで婆さんの元に駆け寄った。
「いたたた……」
「立てるか?」
俺は婆さんをゆっくり抱き起こした。
「宮本くん?」
そんな俺の様子を水上は不思議そうに見つめている。
「水上!
お前謝れよ!」
すると水上は無表情になり婆さんを見下すと、小さく首を傾げた。
「誰に?」
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