「あたしも一緒に行っていい??」

不安げにそういった綾の白いほほは、少しだけ赤みがかっている。


「ん?いいよー。なあ?愛莉♪」

慧はそれに気がついていない様子で、あたしの前で楽しそうに笑っていた。


「うん、いいんじゃない?あたしは先に行くからね。」


この言葉を聞くと綾は慧に見えないように「ごめん。」と口パクで言ってきた。



綾が慧のことを好きなのはずっと前から知っていた。


だからこうやってたまに、二人で登校させたりしているんだけれど、慧はそれに気がついていないみたい。


後ろの二人が気になって一回振り返ってみるけど、心配して損した。