呟いて、そして脳裏に浮かぶのは、あの日のこと。
あれだけ頑張ったのに、頑張らせてしまったのに、結局は期待に応えられなかった。
一緒に頑張ろう、と、そう言ってくれた彼に申し訳なかった。
謝りたくても謝ることが出来なくて、結局は最後の最後まで意地を張ってしまったけれど、でも本当は泣いて謝罪したかった。
とはいえ、あの日と比べれば今は体の調子がまだいい。
これなら、少しの無理も耐えられる。
けれど、もしまた、あの日のように失敗してしまったら──
不安はつきない。
でも、まだ諦めるわけにも、立ち止まるわけにもいかないのだ。
「っ‥勉強、しなきゃ」
栖栗は、頭の痛みを紛らわすようにぶんぶんと横に振り、そう呟くと半ば義務的に机に向かった。
英語でテスト範囲になっている部分は、だいぶ分かるようになってきたし、このまま勉強をすれば本番のテストでも満点が取れるだろう。
無論、英語の合間をぬって、他の教科もこの日まで頑張ってきたから、満点を取る自信はある。