英曰く、それで分からなかった単語や意味をもう一度ノートに書き出して練習、そしてテスト、また分からなかったら練習、の繰り返しらしい。
「──あ、」
ふと、栖栗は窓の外へ視線を移すと、小さく声を上げた。
「どうした?」
その声につられるようにして、英はルーズリーフから顔を上げた。
そこには、いくつかの英単語が二行ずつ空けて書かれている。
「もう六時」
栖栗は時計を指差したあと、再び窓の外を眺めた。
そして、英もそちらを見る。
「‥早いな。まだそんなに暗くはないけど‥」
空は白んでいて、少しだけ薄暗かった。