「中間テストの結果よ。平均点出そうと思って、メモっておいたの」


受け取ったメモ用紙を、上から下へと眺める。


「へぇ‥英語以外は凄くいいんだ‥」


一年生の中間テストは、現代文、数学、英語、歴史、科学に情報で六教科ある。

その中で、一番点数がいいのは、数学、その次が現代文、科学、歴史に情報、そして英語。

他の科目は、ほぼ満点に近いことに対し、英語だけは赤点ギリギリの四十点。

二人の通う学校は三十五点以下が赤点だから、あと一~二問間違えてしまっていたら、アウトだっただろう。

けれど、英語の一件を除けば、とてもいい点数だ、と、英は思う。
もしかしたら、英語も他の教科と同じ点数だけ取れてさえいれば、学年トップも狙えたに違いない。


「‥やっぱり、英語で損してるな」


栖栗は、ムッと眉を顰めると、英からメモ用紙を取り上げ、それを素早くクリアファイルに戻し、バックに入れる。