「充実した毎日になるよう、か‥」
栖栗は生徒会長─英を見つめながら瞳を輝かせ、そして呟いた。
その横顔は、周りの女子から見れば「まぁこの子もお年頃なのね」と思われてしまうのだろうが、栖栗にとっては断じてそういう意味で彼を見ているわけではない。
「‥生徒会長こそが、この地味な生活を変えてくれる‥そんな気がする‥だから、」
あの人が、欲しいっ!
それはさながら、か弱い子うさぎをギラギラとした目で見つめる肉食獣だった。
もちろん、そのような目で見る新入生がいることを英が知るわけがない。
それを彼が知るのは翌日、よく晴れた午後のこととなる。