「あ、えっと‥今日、生徒会長と一緒に‥登校、してたよね‥?」
──なるほど、話はそれか。
栖栗はぼんやりと、入学式の歓声を思い起こしていた。
きっとこのメガネっ子も、生徒会長を見て頬を赤く染めていた一人に違いない。
メガネっ子は俯きがちに栖栗からの返答を待つ。
ふぅと息を吐けば、それだけで彼女の肩は震えた。
「したわ。それがどうかしたの?」
「えっ‥別に、そうゆうわけじゃ‥!ただ、いつ知り合ったのかなっ、て‥」
カッとメガネっ子の頬が染まる。
紅茶色の髪が乱れる程に勢いよく、首を振るものだから、千切れやしないかと栖栗は少しだけ心配になった。
「‥多分‥昨日の昼ごろ」
「そう、なんだ」
「そう」
「あの‥」
「何」
次もペット絡みなら、本人を引っ張ってでも連れて来てやろう‥そう思って栖栗は眉を顰めた。
昨日今日知り合ってペットになった動物のことを、自分にあれこれ聞かれても、はっきり言って困るのだ。