「学校が終わるまで放し飼いにしてあげる。でも終業のチャイムが鳴ったら、必ず私の教室にお迎えに来なさい」
首輪をスクールバックにしまいながら、栖栗は分かった?と付け加え、首を傾げた。
勝手に決めるなと言いたいところだが、自分から彼女の犬に成り下がったのだ、今更文句は言えない。
「‥‥言っておくけど、今日は生徒会があるから君には付き合えない」
「ペットは飼い主に絶対服従よ?生徒会くらいビシッとサボりなさい!」
「無茶言うな。大体、生徒会長がそんなことするわけにいかないだろ」
たしかに、彼女を楽しませるということが英(ペット)の仕事だが、さすがに本業を放っておいてまでそちら優先させるわけにはいかない。