遠のいて、揺れる。
音が一瞬だけ、なくなった気がした。


ふわり と 体が浮いて、左右もよく分からないままに、落ちた。





ガタ ン !




ざわざわと騒ぐ声、見つめられる不快。
ひんやりとした床、倒れたイス。









「おい、市川‥!!!」


生徒たちの悲鳴のあと、松永が栖栗を呼んだ。
そして、バタバタと廊下を走る音がしたかと思えば、隣りのクラスから駆け付けた先生が勢いよく一年三組へと飛び込んだ。



教室の中は、騒然とした。