病院に運ばれてからオレは治療を受けた。軽い打撲だけで済んだが、背中の傷は一生残るらしい。

そんなことより凜は…。




結局、凜は帰ってこなかった。オレを置いて逝っちまった。

オレの親は泣きながら凜の親に謝っている。

当たり前だった日常が一瞬にして消えた。

オレはひたすら泣いた。そんなとき、誰かがオレを抱きしめた。

幼なじみの雫だ…。

雫は泣きながら、

雫 「大丈夫、大丈夫」

と、言いながらずっと抱きしめていてくれた。

何が大丈夫かわからなかったがとにかくすがりたかった。雫は優しく背中をさすってくれた。

オレはこの温もりを一生忘れない。