「そんなそんな勝手過ぎるよ。湊君はどうなるの?パパを知らずに育つの。



雪ちゃん東京へ行こうよ。


湊君連れて東京へ行くべきだよ。」



一輝に止められた。



『華落ち着いて雪ちゃんの話しを聞こうな。』



私は体の震えが止まらなかった。




「華ちゃんこんな私の為に、そこまで思ってくれてありがとう。



こうなったのは私がいけないの。



私真一と付き合っていた時も大気が忘れられなくて、


多分それを真一は分かっていたんだと思う。



だから子供の事は言わない、言えない。



私一人の子供として育てるから。



華ちゃん本当にごめんね。」



その時大気君が、「雪そんな事言うなよ。



俺は雪が好きだから、カッコつけさせて貰っていい。


俺が湊の父親になる。



まだ大工の見習いだし、雪にも働いてもらわないと食べていけねぇけど、



二人で頑張ればなんとかなるよな、親父。」




鈴子さんが、「大気も大人になったね。湊は私が見るからさ、



こうなりゃ五人も六人も一緒だよ。」