「あのー・・・?」 「?」 話してかけてきた人を見ると、微かに見覚えのある顔だった。 「藍野樹だけど、あたしのこと覚えてる?」 人懐こい笑顔をあたしに向けている少女は、中学の頃の水泳の県大会で友達になった樹(イツキ)だった。 「イツキっ!」 あたしは樹に飛びついた。