受験に失敗したあたしは暗い顔をして入学式に向かっていた。 無力さと絶望感で、合格発表の日から徐々に痩せていた。 ――宮原華絵 あたしの名前。 ちびで、強がりで、可愛げのないあたしに不似合いな名前。 でも、嫌いじゃなかった。