男は追い掛けて来て、しぃちゃんの手を繋いだ。

しぃちゃんはもう何も信じられなくなっていた。


「俺、アイツが浮気で本命はしぃなんだよ!しぃしかいないんだ!ごめん、ほんっとに済まなかった!」


歩きながら考えた。


(なんで手繋いでんだよ…私だって被害者だぞ。殴られ損だ。)


「アンタさ、女の子の気持ち考えた事ある?」


「あるよ、あるけど、しぃを好きになっちゃったんだ!愛してるんだ!」


「……あっちの女の子の気持ちも、私の気持ちも、おもちゃじゃないんだ。いらなくなったら捨てるなんて、許せねぇ!」