勇輔と付き合うようになって1ヶ月と少し。


学校帰りに勇輔と手を繋いで街を歩いていると、通りの反対側に、男の人と歩くしぃちゃんを見つけた。


「あ。あの髪の長い女の人。」


最初に気付いたのは勇輔だった。


「泣いてる…」


目をこらしてしぃちゃんのほうを見ると、背の高い綺麗な恰好をした男の人と、手を繋ぎながら、歩きながら泣いていた。


人通りの多い街中で、しぃちゃんはわんわん泣いていた。


「だいたいテメェの浮気の尻拭いに、なんで私が付き添わなきゃなんねんだよ!」