化粧は独学だった。


しぃちゃんは化粧を好まないからだ。


「アンタら、そんなに塗りたくって、顔苦しくなんないの? 皮膚呼吸の妨げじゃん」


「しぃちゃんにはわかんないよ。しぃちゃんはスッピン美人だから!」


「ふ〜ん。
のんきだって、元々の顔可愛いのにな〜」


きっとしぃちゃんには一生理解できないだろう。


しぃちゃんは何もしなくても周囲の目を引く程の美人だ。本人がそれに気付いていない事すら恨めしい、私は平凡な顔だ。