そんな私の客には年輩の人が多い。


芸のない唯五月蠅いだけのキャストや、顔しか取り柄のないキャスト達といても、疲れるだけだと彼らは言う。

だから彼らのような人は皆、私の存在を喜ぶ。



話題が豊富で、世の情勢をしっかり把握している、少し知的なキャスト。


これを自分のものにするには少し時間がかかったけれど、しっかりものにした事は正解だった。

おかげで、太い客を何人も手に入れた。


もちろん、それぞれの客が求めるものを提供する。だから一概に知的なキャストと言う訳ではない。


ここには、色んな人が来るのだから。



現実に目を背け、弾けに来る人

どうにも出来ない疲れを、癒しに来る人

女の子との会話を楽しみに来る人



歌舞伎町のネオンの数程、様々なタイプの客が居る。


私は誰よりも早く、彼らの求めるものを見つけ出し応えていく。

それは一見簡単そうに見えるが、なかなか出来る事ではない。人の考えている事など所詮他人には解らなのだから。

けれど私はそこを逸早く見つけ出し、スッと入り込む。


だから悠々とNo,1を保持する事が出来るのだ。