歌舞伎町は銀座と比べると、やはりどこか安っぽい。
歌舞伎町のキャバ嬢と言えば、明るい茶色のエクステが何本も付いた髪を華やかに盛る。
これがここの定番と言えるだろう。
けれど私は違う。
エクステの付いていない黒のストレートロングの髪。
知的そうで派手過ぎないメイク。
街を張り巡らせるように居るスカウト達を決して寄せ付けないオーラ。
私はこの街では、確実に浮いていると思う。
だがこれでいい。
歌舞伎町で1、2を争う有名店の『Grace』No,1名波 真。
誰が何を言おうと、浮いていようと、そんな事は気にしない。
No,1を張る者としてのプライドと、相応しい女であり続ける事。
それが今の私を作っているのだから。