「っ…じゃあ…ね。バイバイっっ!!」


背を向けてゆっくりと歩きだす。

まるで1歩1歩歩いていることを確認するように…



振り向いちゃいけない


振り向けない



振り向かない


そんな感情を振り切るように走り出す。


右も左も分からない

音も聞こえない



ふっと雨の気配と雨がふるまえの独特の匂いがした。


あぁ、もう直ぐ雨がふるんだ…


ぼんやりとそんなことを思った。