「そのお門違いな恨みは
いつまで続くんだ?
迷惑だ。」


素良が言った。

「お門違いでも
狂っていても
それが俺の生甲斐なんだ。」


「歩来だって愛してないんだろ?
俺といるからそこに歩来を縛るのか?
それなら歩来は
幸せになれない。
俺にかえすのが嫌なら
俺は歩来をしばらないから
解放してやってほしい・・・・
俺達の事情に
振り回されて
犠牲になるのはかわいそうだ。」



芳樹の手に力がこもった。


「歩来もさいしょはそうだった。
でも今は違う。
歩来がいれば
こんな人生でも光がさすような
希望も見えるような
だから歩来は絶対離さない。」


その時、大野医師がやってきた。


「過去を話す時だね・・・・・
素良、芳樹もそろってるし
歩来さんも付き合ってくれるかな?」


そう言った。