聞かなくちゃ・・・。

『別れ』を告げた理由を。

結衣は、隣でガッツポーズをしていた。


「あのさ・・・昂樹?」




「・・・・・・!んだよっ・・・。」

女の人との話し声・・・。

きっと美沙だよね・・・。



「昂樹・・・?」

「・・・ん?」

「別れた理由が知りたいっ・・・!」

「それは・・・」

ガチャンッ。

電話・・・切られちゃった。

私は結衣を真っ直ぐに、ただ、ただ真っ直ぐに見つめていた。

「紗実ぃっ!よくがんばったねっ!」

結衣は、抱き締めてくれた。

結衣も、泣いてくれた。

前を見て歩こう・・・。

昂樹・・・幸せにななってね!

私のこの言葉には嘘はなかった。

私は『別れ』と共に、『出会い』があるとわかった。

けど



まだ、消していない。

昂樹の番号を。


そして


あの着信音を・・・。


今も消すことはできない。

このくらいいいよね?