「・・・っ昂樹ぃ・・・っ!」

昂樹に会いたい・・・。

でも・・・勇気がない。


♪~♪♪~♪~♪♪~♪

誰からだろう?

結衣だ・・・!結衣が電話くれたんだ。

「もっしもぉっし☆紗実ぃっ?」

「・・・っ・・・結衣ぃ・・・。」


―高橋 結衣 (タカハシ ユイ)

私の家族と言って良いほど仲の良かった親友。
少しギャルっぽいけど・・・
アメリカに、二年前移住して、昨日帰ってきたらしい。

「なにがあったかわかんないけどぉーとりあえずご対面といきますかぁ☆」

「でも何処で会・・・」



ピンポーン

きっと・・・!

「はーい・・・?」

ビンゴッ!

「おはにぃ☆紗実っ!元気して・・・」

私は真剣な表情で、目に一杯の涙を溜めながら、結衣を見つめていた。

「なかったみたいだねぇ・・・。どした?」

私は今までの事を全て結衣に話した。さっきの、リストカットの事も・・・。


結衣は、丁寧に私の腕の傷を手当てしてくれた。

そして、泣いてくれた。


「そのさぁ、美沙って子どこにいんの?」

結衣は真剣な表情で、真っ直ぐに私を見つめていた。

「何でそんなこと聞くの?」

正直、私は怖かった。

私はただ、昂樹と仲直りしたかった。


ううん。

『別れ』を告げた理由だけでいいから、知りたかった。



「何でって・・・。そりゃぁ」