美咲を見守っている間……

友達で上手くいってるなら、なんて変な守りに入って、彼女を作ったりしてた事もあった。


1人の女にそこまで執着すんのも自分でどうなんだよ、なんて不安になって。

だっていい歳の男が彼女も作らず、ただひたすら片思いって……ありえねぇし。


だから……適当に彼女を作って、遊んで。

そんな付き合いが楽しくない事はなかった。


ふわふわした感じの子から、クールなタイプまで。

結構色んな子と遊んで、それはそれなりに楽しかった。


このまま好きになれるかも、とも思った。


……だけど、ダメなんだ。



遊んで、笑いまくって帰ってきたって、1人の部屋で考えるのはいつも美咲の事で。

どうやったって、美咲が頭から離れなくて。


でも、そんなに想ってたって、美咲を目の前にすると憎まれ口しか出てこなくて。


だって……言えねぇよ。


人に気を使いすぎる美咲は、俺が告白なんかしたら絶対、自己嫌悪する。

今までの自分の態度を、絶対に後悔する。


自分の事を好きでいてくれたのに、そんな相手に恋愛相談してたんだって……

そんな事を後悔して、俺に申し訳ない気持ちでいっぱいになるんだ。


……バカみてぇ。

気持ち隠してその役に名乗り出たのは俺なのに。

そんなの美咲が反省する事なんかじゃねぇのに。



本当、バカみてぇ。



でも、美咲はそういう奴。



……だから、好きなんだ。


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