凪斗は、表情を変えずに牌を掴んだ。

「はい、時々ですけど・・・」

「どんなメールだ?」

「別に、今何してるかとか

 彼女はいるのかとか・・・」

「え?彼女いるって答えたの?」

「はい、留美ちゃんって言いました」

「それだよ!

 凪斗は留美が好きなんだよな?」

薫子は俊也の足を蹴った。

「なんだよ?」

「もう少し訊き方があるでしょっ?」

「ちょっと待って

 恵理子さんに留美が彼女だって話して

 恵理子さんは何て言ったの?」

「それは・・・」

凪斗が目を伏せてしまったので

とてもとても嫌な予感がした。

「恵理子さんって?」

「店の人、主婦なんだけど

 ちょっと事情があって・・・」

真太郎は知らないので首を傾げていた。